高円寺&あづま通りのイベント

第9回 女みこし開催報告

2016年 第9回 女みこし

8月27日・28日の二日間、記念すべき「第60回・東京阿波踊り」が開催されました。人間で言ったら還暦。本場・徳島に勝るとも劣らない高円寺・阿波踊りの歴史と成長が感じさせられるアニバーサリーイヤーです。

そして、東京阿波踊り本番となる28日には、「第9回・高円寺あづま通り女みこし」も無事行われました。事前の予報では天候が心配されましたが、やはり神輿に祀られている「氷川神社」のご利益でしょうか。神輿巡幸中は雨に降られることもなく、例年に比べて程よい気温。「氷川神社」の末社には、日本で唯一の天候の神様「気象神社」があるのです。

10時集合で、担ぎ手さんたちは着替えのため、北二丁目町会の御神酒所近くにある、女性のためのスポーツクラブ「カーブス高円寺」に。当初は11時に御神酒所に集合予定でしたが、11時半に変更となったことで、時間的な余裕もできた分、「カーブス高円寺」内で準備運動やストレッチをする人も。

その間も御神酒所前では神輿の準備が進められ、同時に御神酒所内では、北二丁目町会・婦人会の皆さんが料理や飲み物の準備に大忙しです。北二丁目町会としては、女みこしだけでなく、子供神輿や山車の巡幸も行い、参加した子供たちにはお菓子が配られます。それらを“縁の下の力持ち”として支えるのが婦人会の皆さんなのです。

11時20分くらいには担ぎ手が御神酒所前に集まり始め、婦人会の方たちが用意してくれた軽食で腹ごしらえ。神輿巡幸のエネルギー補給とばかりに、飲み物はビールをチョイスする強者も。同じ装束を身に纏うことで、一気に仲間としての結束が固まった感じです。

今年の担ぎ手は36名と前年よりも少数精鋭ですが、新たな協賛企業の参加もありました。まずは、府川支店長をはじめとする「城南信用金庫」チーム。「高円寺あづま通り女みこし」の担ぎ手募集ポスターを行内に貼って、参加者集めの段階から協力してくれたそうです。

「西武信用金庫」チームも新規での参加です。イベントを通じて街の活性化に役立てたらという、地域に密着した信用金庫らしい想いから、参加を決めたそうです。両行とも男性も多数参加してくれていることで、巡幸時の誘導や神輿を置く馬を運ぶ力仕事など、心強い限りです。

そして、もう「東京阿波踊り」にも、「高円寺あづま通り女みこし」にも、無くてはならない存在となった「平安祭典」チームが参加してくれたのは言うまでもありません。毎年、参加してくれているだけに、巡幸の流れや段取りを知り尽くしている男性陣、担ぎ手となる女性陣。今や「高円寺あづま通り女みこし」を牽引してくれる存在となりました。

また、今年も外国人の方も参加してくれました。中国人のチョウ・ブンさんとデン・ウさん、そしてモンゴルのドラさんの3人です。ともに、神輿は初めてだそうですが、初めての不安よりも期待感の方が大きかったようです。

11時30分からは出発式。まずは、参加者全員での撮影。この時撮影した写真は、神輿巡幸後の直会(打ち上げ)時に、プリントして参加者に配られます。そんな心遣いも嬉しいですね。

北二丁目町会の五味副会長の司会で、槻木町会長のご挨拶。さらに、あづま通り商店会長の由井氏のご挨拶があり、高嶋神輿部長の拍子木で手打ち。いよいよ「第9回・高円寺あづま通り女みこし」の開幕です。

今年は少数精鋭とあって、神輿経験者率も多かったことから、とくに担ぎ方のレクチャーや練習はショートカットして、一気に神輿巡行スタート。ビールでエンジンフルスロットルの担ぎ手さんも多かったせいか、巡幸ピッチも少し早め。

初心者には、ベテランの担ぎ手さんたちが適切なアドバイスを行い、それぞれの体調にも目配りしながらサポートしてくれる体制が、9回目ともなるとすでに確立されています。外国人の方たちも「ワッショイ、ワッショイ」と大きな声で、神輿巡幸を盛り上げてくれました。

御神酒所から直進して「りそな銀行」前には12時30分に到着。出発からたったの10分。今年の担ぎ手さんはとってもパワフル。10分の休憩を挟んで、そこから左折し、最初の見せ場であるJR高円寺駅の北口ロータリーへと向かいます。

今回、神輿巡幸を担うのは、担ぎ手さんの息子さん。そして、昨年は担ぎ手さんに抱っこされていた女の子も、神輿の横をママと一緒に歩いて参加。子供の頃から高円寺のイベントに参加していれば、いずれはイベントをリードする存在へと成長してくれる予感がします。高円寺周辺の小学校では体育に阿波踊りを取り入れているところもあるそうで、今後が楽しみです。子供の順応性は早く、「りそな銀行」前に到着する頃には、先頭で拍子木を打っていた少年も、由井あづま通り商店会長の「ワッショイ、ワッショイ!」という拡声器の声ともタイミングばっちりです。

12時40分に再スタートした「高円寺あづま通り女みこし」は、なだれ込むようにJR「高円寺駅」へと向かいました。JR駅構内を通過するという神輿は、国内でもめずらしいので、駅校内でその光景を撮影しようという人が待ち受けていました。神輿を担ぐ人も、その周囲で盛り上げる人も、興奮度MAX。巡幸の中でも見せ場となる撮影ポイントです。ただ、JR構内で神輿を止めるのはNGなので、神輿を担いだ通行者として“止まらず、速過ぎず”通過せねばならないので、長くても約5分間。ぜひ、その瞬間を見逃さないでください!

12時55分にはJR「高円寺駅」を通過して駅南口ロータリーへ。ロータリーから少し南に進んだ後は、左に曲がって「氷川神社」へと向かいます。今年は一気に「氷川神社」境内へ。露店が並ぶ境内への宮入は、神輿のバランスを維持するために最新の注意を払います。

「氷川神社」では参拝、宮司さんによるお祓いが行われます。それまで神輿巡幸で熱気に溢れていた担ぎ手さんも神妙に宮司さんのお祓いに低頭します。そんな“動と静”も神輿巡幸の魅力の一つだと思います。

「高円寺あづま通り女みこし」が参拝を終えた頃、庚申通り商店会の男神輿もやってきました。庚申通り商店会のメンバーと女神輿のメンバーに、同じイベントを盛り上げる仲間としての一体感が生まれる瞬間です。

この後は、庚申通り商店会の男神輿と、中通り町会の男神輿との3基での競演となるため、エネルギーをチャージ。ほかほかのコロッケや唐揚げといったスタミナ満点のラインナップ。毎度ながら、補給部隊の手際の良さにも感心させられます。

やや長めの休憩をとった後、13時40分、庚申通り商店会に先駆けて「氷川神社」前をスタート。「高円寺駅」南側の「氷川神社」から、JRの高架下をくぐり、北口駅前ロータリーを3基の神輿が周回するのです。庚申通り商店会に続き、中通り町会の神輿も到着しました。そこで一旦休憩……というよりは英気を養うといった感じです。

男神輿の野太い声に負けず、「高円寺あづま通り女みこし」の担ぎ手さんたちも精一杯声を張り上げます。駅前での大イベントとあって、観客数だけでなく、女神輿を撮影しようと車道にまで出てしまう人、多数。ちょっと交通整理も大変。これは認知度アップに伴う、今後の課題かもしれません。ロータリーを通過する観光バスに乗っていた人たちも、窓を開け、担ぎ手さんに声援を送ってくれました。

そして競演後は、神輿は「純情商店街」へ。中通り町会の神輿は、南口方面へと戻っていきます。「純情商店街」は阿波踊りの「純情演舞場」となっていることもあり、その見物がすでに場所取りしているので、沿道の人たちから多くの声援が得られると同時に、事故なく巡幸せねばならないエリアでもあります。「純情商店街」という名の通り、巡幸路の中でも“高円寺住民の温かさ”が実感できるコースです。

「純情商店街」を進んだ後は、東へ進み、阿波踊りの「ひがし演舞場」を経て、メインの「あづま通り商店会」へと向かうのですが、その前に「純情商店街」にあるイタリアンの店「ポポラーレ」前で小休止。ここまで一緒に進んできた庚申通り商店会のメンバーとも、ここでお別れです。

「ポポラーレ」前で女神輿と男神輿が合流している様子を撮影しようと、街の人たちも知り合いの担ぎ手さんと写真を撮ったり、ちょっと高い場所にある建物に上がって祭りの様子を撮影するなど、担ぎ手と街の人がふれあえる場にもなっています。

14時20分、いよいよ「あづま通り商店会」に向います。途中、「ひがし演舞場」を通過することもあって、沿道には阿波踊りの場所取りをしている人でいっぱい。すでにアルコールも入っているらしくノリノリで、女神輿の「ワッショイ、ワッショイ!」という掛け声に合わせて、ウチワを振ったり、一緒に掛け声をかけたり上機嫌。

「あづま通り商店会」に入ると、商店街沿いに軒を連ねる店舗の人たちはもちろん、家の中にいた人も女神輿を一目見ようと沿道に出てきて、担ぎ手の人たちに声援を送ります。例年「林医院」前で休憩を挟むのですが、今年は一気に「あづま通り商店会」の最北である早稲田通りへ。信号が青になった瞬間、車道で大きくUターン。その大技も難なくクリアしました。

再び、「あづま通り商店会」の元来た道を戻り、「林医院」前で休憩を挟みつつ、北二丁目町会の子供神輿と山車が通過を待ちます。「林医院」前の休憩は、当初の予定では15時20分でしたが、担ぎ手さんのバイタリティのおかげもあってか、14時50分には到着。その前を「日本一」の幟を背にした桃太郎が据えられた北二丁目町会の山車が元気に通過していきました。

子供神輿との調整もあってか、「あづま通り商店会」の「福屋クリーニング」前でも少しゆっくりめの休憩。バナナや「平安祭典」差し入れの「ガリガリくん」を食べて、ラストスパートの英気を養います。15時35分には出発。JR線の北側まで進んで左折、「平安祭典」前を再び左折して、御神酒所へ。今年は神輿慣れした人が多かったこともあり、スムーズな進行となりました。

15時50分には、無事御神酒所に到着し、それぞれが“やりきった感”を胸に三本締め。神輿巡幸の終了を待っていたかのように、パラパラと小雨も降り始めたので、担ぎ手はまず「カーブス高円寺」で着替えた後、「平安祭典」で行われる直会会場へ向かう流れとなりました。「カーブス高円寺」と「平安祭典」は目と鼻の先の場所にあります。

16時15分から直会開始。昨年にも増して、料理がゴージャス。また、神輿装束から普段着に着替えての打ち上げなので、担ぎ手の人たちがいつも以上にリラックスしていたようでした。一方で、担ぎ手や馬運びで活躍いただいた「平安祭典」スタッフはパーティスタッフとして大活躍です。

食事が一段落したところで、由井あづま通り商店会長のご挨拶。その後、槻木町会長が乾杯の音頭をとり、再びパーティ会場は大いに賑わい、さらにスイーツとフルーツが出された時には、ビールを飲みつつもスイーツはしっかり確保する人も。和やかな雰囲気の中、「第9回・高円寺あづま通り女みこし」は無事終了。由井会長の挨拶「次回は第10回目となるので、さらにこのイベントを盛り上げていきたい」という言葉が今から楽しみ。どんなサプライズを用意してくれるのでしょうか。来年も乞うご期待です!

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