高円寺&あづま通りのイベント

第11回 女みこし開催報告

2018年 第11回 女みこし

「第62回・東京高円寺阿波おどり」開催の2日目にあたる2018年8月26日(日)、晴天のもと、「第11回・高円寺あづま通り女みこし」が行われました。

参加者は48名、その内の約20名が神輿初心者でしたが、熱中症や脱水症状などの体調不良者も出さずに無事神輿を巡幸できたのは、ひとえに補給部隊の活躍や休憩回数の配慮もあってのこと。11回の歴史の賜物です。

御神酒所前で男衆が神輿の準備を行い、御神酒所内では、北二丁目町会・婦人部の方々が、料理や飲み物などの用意を整然と進めていました。婦人部の方々はかなり忙しそうなのですが、恒例行事だけに手慣れているせいか、バタバタすることがないのです。気持ちいいほどスムーズに準備がなされていきました。

11時に集合し、まずは神輿装束に着替えます。 北二丁目町会の御神酒所近くにある、女性のためのスポーツクラブ「カーブス高円寺」様には、半纏や帯、Tシャツ・スパッツ、足袋などの装束が用意されています。今年からは、首周りなどの冷却に利用できるハンドタオルも無料で付けられることになり、今まで以上に手厚い心配りが感じられました。

神輿装束のサイズや着方など、「高円寺あづま通り女みこし」の第1回目から担ぎ手として参加している店長の真壁さんをはじめ、「カーブス高円寺」スタッフの方々が、初めて参加する人にも、準備体操の仕方から懇切丁寧にフォロー。今年は例年より暑かったこともあり、参加者の人たちもクーラーのきいた店内で涼をとってから御神酒所へ向かいました。「カーブス高円寺」スタッフのみなさま、大変ありがとうございます。

御神酒所には「氷川神社」をお祀りした祭壇、御神酒所前には北二丁目町会の女神輿、子供神輿・山車が並び、氷川神社例大祭奉納者の企業名や氏名が並んでいます。

「高円寺あづま通り女みこし」を支えてくれる企業様は「カーブス高円寺」様だけではありません。神輿巡幸だけでなく巡幸後の直会(なおらい)の会場も提供してくださるチーム「平安祭典」様。

さらに、街の人たちとの距離が近い「城南信用金庫」様、「西武信用金庫」様。

参加者募集から力となってくださり、巡幸時には車を誘導して神輿巡幸をガードしてくださったり、神輿を置く馬を運んでくれたりと、「高円寺あづま通り女みこし」巡幸には欠かせない“縁の下の力持ち”となる男性陣が多数参加してくれます。

参加者募集から力となってくださり、巡幸時には車を誘導して神輿巡幸をガードしてくださったり、神輿を置く馬を運んでくれたりと、「高円寺あづま通り女みこし」巡幸には欠かせない“縁の下の力持ち”となる男性陣が多数参加してくれます。

12時近くには、着替えを済ませた担ぎ手さんたちが御神酒所に集まってきます。 軽食をとり、いつもは豪快にビール……というところですが、今年は猛暑が続いていたこともあり、「アルコールは水じゃありませんよー」という注意の声も飛び、多くの人がソフトドリンクや水分補給飲料を飲んでいました。

出発前に暑さで体力を奪われないよう、出発式も例年以上にスピーディに。顧問の由井氏とあづま通り商店会会長の芳山氏の挨拶に続いて、神輿のワンポイント雑学や、初心者に向けた神輿の担ぎ方のレクチャーをし、神輿巡幸の準備完了です。

巡幸に先立ち、まず集合写真撮影。 撮影した写真は、神輿巡幸後の直会――打ち上げ時までにプリントされ、参加者に配られます。

12時15分、いよいよ「第11回・高円寺あづま通り女みこし」巡幸。北二丁目町会・婦人部の方々や、夕方からの「第62回・東京高円寺阿波おどり」に参加する連の人たちの応援を背に、堂々のスタートです。

初心者が多いとは思えないスムーズな巡幸で、12時25分には、最初の休憩所である「りそな銀行」前に無事到着しました。今年は参加者が多く、担ぎ手の人数は限られていることもあって、自然と神輿の周りで盛り上げる人数も多くなり、華やかな雰囲気に包まれた巡幸となりました。

「りそな銀行」前で10分間の小休止。その後、神輿は北口ロータリーからJR高円寺駅構内へ。国内でもめずらしいJR駅構内の神輿巡幸は、「高円寺あづま通り女みこし」の見せ場の一つとなっているのです。駅を利用する多くの人たちに囲まれ、撮影されるポイントでもあります。

改札前では、大きく神輿を揉んで、周囲で盛り上げる人たちも団扇を振り精いっぱい声を出して応援します。このJR構内の神輿巡幸は、あくまで構内を通行者として“止まらず、速過ぎず”通過するという制約があり、そのスピード調整と短時間内で盛り上げるテクニックが必要なのです。

JR高円寺駅の南口ロータリーから氷川神社へ。

神社の緑を背景に神輿の上の鳳凰がキラキラと輝いていました。氷川神社が神輿を歓迎してくれているよう。鳥居の前からはそれまでの勢いを止め、厳かな境内へと宮入しました。

12時55分、氷川神社の社殿前に神輿を置き、参加者全員が低頭し参拝。 宮司さんにお祓いをしていただき、商店会長・芳山氏が玉串を奉納。 氷川神社内にある気象神社も今年は晴天を運んできてくれたと思いますので、その感謝も込めてお参りしました。

氷川神社宮入・参拝の後は、神社前での休憩です。 「平安祭典」様から、暑い日対策としてうれしいピクルスを差し入れとしていただきました。

とにかく、高円寺はニュース発表によると41度という暑さだったそうで、担ぎ手さんたちも水分補給に努めていました。13時30分まで、思い思いに日陰を見つけて英気を養います。氷川神社の次には、JR高円寺駅北口ロータリーでの神輿3基の競演が待っているのです。

氷川神社から南口ロータリーを進み、今度はJR線の高架下をくぐって北口ロータリーへ。

あづま通りの女神輿を先頭に、中通り、庚申通りの神輿が続きます。

3基競演は車道を周回します。2017年度も前年度より車の誘導が円滑になっていましたが、2018年はさらに警察や男衆が巡幸しやすい環境を整えてくれました。初心者の人も多かったので、こうした配慮はありがたいですね。

神輿の周囲で盛り上げる担ぎ手さんたちは、担いでいる人たちに向けて団扇で風を送って応援していました。14時から20分ほどかけてロータリーを回りましたが、わっしょいの掛け声は元気いっぱいです。ベテランの担ぎ手さんが「今年は平均年齢が去年より下がったかも」とおっしゃっていましたが、炎天下でも神輿の勢いは落ちることなく、純情商店街へと進んでいきました。

阿波踊りの純情演舞場となっている純情商店街は、すでに阿波踊り観覧のための場所取りしている人たちもいて、沿道からは多くの声援が送られるエリアです。地元の参加者にとっては見知った顔が応援してくれる商店街とあって、時々手を振ったり、笑顔で声援に応えるなど、地域の一体感いっぱいです。

そんな純情商店街で、14時25分から10分間の小休憩。広々とした駅前ロータリーの巡幸も豪快で見応えがありますが、商店街の巡幸では街の人たちの温かさに包まれながら進むこともあって、つねに女神輿は注目の的。それだけに気を抜くことはできません。

14時35分には純情商店街を出発。再び純情商店街を北へ進み、突き当たりを右折してしばらく進むと、そこはホームグラウンド「あづま通り商店会」です。同じくらいのタイミングで、北二丁目町会の子供神輿と山車が、女神輿とすれ違うように巡幸してくることもあって、商店街の人たちも店先に立って声援を送ってくれます。14時50分、「広島お好み焼き・鉄板焼き みかづき」「福屋クリーニング」前で15分の休憩。

その間に、二丁目町会の子供神輿と山車が、女神輿の担ぎ手さんたちの前を通り過ぎて行きました。二丁目町会の山車の上には“日本一”の旗を担いだ桃太郎の人形が凛々しく立っており、こうしたスタイルの山車は日本でもめずらしいそうです。

子供神輿が通り過ぎたのを見計らって、女神輿は「あづま通り商店会」を最北部となる早稲田通りへ。ここも「高円寺あづま通り女みこし」の見せ場の一つです。

信号が青になった瞬間、車道へ進んで、車道上で即行Uターンして、元来た道を戻るという大技です。進行役の人たちのサポートで、見事に180度回転をスムーズに成功させました。

祭りで賑わう「あづま通り商店会」の沿道には、「入利弁天」のお社があります。個性豊かな小売店が軒を連ねる「あづま通り商店会」は、金運や商売繁盛のご利益があるという弁天様に守られているのかもしれません。

「あづま通り商店会」を縦断する女神輿は、今度は最南部の都道318号線まで行き、左折して「平安祭典」を経由し、御神酒所へと戻ります。まさにラストスパート。「林医院」前と「セブンイレブン」前で、それぞれ小休憩して、JRの高架沿いに走る都道318号線へ。すでに16時近くになっていましたが、太陽の照りは一向に弱まることを知らず、担ぎ手さんたちとの体力勝負となりました。

都道318号線の大通りを練った後、15時55分に「平安祭典」前に到着。社屋に向けて、大きく神輿を揉みました。「平安祭典」の社員の方たちも入り口近くに立ち、神輿が去るまでずっと拍手を送り続けてくれました。

「平安祭典」を過ぎれば、まもなく御神酒所。全員が力を振り絞って担ぎ、声を出し、団扇で風を送り、一体となってフィニッシュ。ラストは高々と神輿を持ち上げ、御神酒所への帰還を祝いました。

ベテランも初心者も、担ぎ手も巡幸をサポートする人も、全員が主役の見事な神輿巡幸となり、それぞれに達成感・高揚感・満足感を得ることができたのではないでしょうか。

神輿巡幸の後は、「平安祭典」での直会(打ち上げ)です。

担ぎ手さんたちは「カーブス高円寺」で神輿装束を着替えてから、さっぱりした気分で、徒歩約1分の場所となる打ち上げ会場に行くことができます。今年も色鮮やかなお料理がずらりと並べられ、多彩なドリンクが用意されていました。神輿巡幸中は、熱中症にならないようお酒を飲まなかった人たちも“神輿後のビール”で乾杯。巡幸前に撮影した集合写真も配られました。

北二丁目町会の槻木町会長はそんな会場の盛り上がりを尊重してか、あえて短い挨拶で参加者を労い、「平安祭典」様からは「打ち上げ会場はこの後予定が入っていないのでごゆっくり」ともてなしの言葉をいただき、「あづま通り商店会」の芳山商店会長の挨拶と続きました。

今年は、昨年以上に外国人観光客も女神輿に声援を送ったり、撮影したり、日本情緒を楽しんでいました。「あづま通り商店会」の魅力が伝わったでしょうか。

2018年は参加者の半分近くが神輿未経験者・初心者で、さらに炎天下での巡幸とあって多少の不安はないとはいえませんでしたが、すでに11回を数えるイベントならではの底力を証明された「高円寺あづま通り女みこし」となりました。2019年もリピーターさんはもちろんのこと、新たなチャレンジャーもお待ちしています。

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